特養で働く看護師は、その職場環境や仕事内容の特性から「きつい・しんどい」と言われることが多いです。
医師が常駐していない特養では看護師の医療行為の負担が多く、また超高齢化が進んだ今、施設での看取りも増えています。
特養看護師ってのんびり仕事ができるのかと思っていました。
筆者も転職する際に特養を選んだ理由のひとつとして「仕事内容がラクそう」と思っていました。
この記事では特養看護師が「きつい・しんどい」と言われる理由について私の勤務先の特養の情報も交えながらお伝えします。
- 特養看護師がきつい・しんどいと言われる理由
- 特養看護師の仕事内容
- 特養看護師の精神的な負担とは
特養看護師がきつい・しんどいと言われる理由は?
特養看護師が「きつい・しんどい」と言われる理由は以下の4つです。
- 医療ニーズの高い入居者が多い
- 入居者に対する看護師の人数が少ない
- 夜間のオンコール対応がある
- 医師がいない
医療ニーズの高い入居者が多い
超高齢化社会が進んだ今、特養にはさまざまな疾患をかかえた入居者様が入って来られます。
そのため、特養の看護師は以下の医療行為を行わなくてはなりません。
- 経管栄養の管理
- インスリン
- 痰の吸引
- 在宅酸素
- 尿道カテーテルの管理
- ストーマ管理
- 点滴
- 看取り
また、大正生まれの入居者様も多くおられますし、認知症でスムーズに医療行為をさせてもらえない場面も多いです。
医師もいないため急変時には看護師が心肺蘇生なども行わなくてはなりません。
入居者に対する看護師の人数が少ない
特養の看護師の配置基準は1名以上とされています。
入居者が30人以下の施設では1人以上、31〜50人では2人以上、51~130人では3人以上が常勤換算で必要とされています。
しかし、現実は医療ニーズの高い入居者が多いため看護師は不足している状況です。
筆者の勤務先の特養は120床に対して看護師4.5人が配置されていましたが、毎日忙しくて離職率も高かったです。
夜間のオンコール対応がある
特養で働いていたときに、いちばんしんどかったのが夜間のオンコール対応です。
特養によっては看護師が夜勤をすることもありますが、24時間の配置義務はありません。
その代わり、夜間の緊急時には当番の看護師に電話がかかってきます。
オンコール当番の日は、いつ連絡があるかわからないため自宅にいても常に緊張感がありゆっくりできませんでした。
連絡がなかったとしても拘束されていることは変わらないからね
医師がいない
特養には医師がいないため、入居者様の体調不良時には病院受診をする必要があります。
施設のかかりつけ医の医師が往診にくる日もありますが、検査や処置が必要だったり重症な状態と判断された場合は看護師が付き添って病院受診します。
高齢者は症状が乏しいため体調の変化に気づきにくく、重症化して入院となるケースも多いです。
看護師は医療につなげるタイミングを見極める必要があるため負担が大きいと感じます。
特養看護師の仕事内容
特養での看護師の仕事内容として以下の5つがあげられます。
- 入居者の健康管理
- 入居者の受診対応
- 内服薬の管理
- 様々な処置
入居者の健康管理
当たり前ですが、特養の看護師のいちばんの役割は「入居者の健康管理」です。
高齢者は持病に加えて、肺炎や尿路感染、心不全や脳血管障害などさまざまな病気になりやすいです。
入居者の普段の様子を把握し、以上の早期発見につながるよう努力が必要です。
また、健康診断や予防接種などの段取りや食事指導なども行っています。
入居者の受診対応
先ほどもお伝えしましたが、入居者が病院受診する際には看護師が付き添います。
医師への状態報告、処置の介助、家族への連絡なども行います。
内服薬の管理
入居者の薬全般、看護師が管理をしています。
かかりつけ医に入居者の状態を報告し定期薬を処方してもらいます。
病院からの処方箋を薬局へ渡し薬を作ってもらいます。
何種類もある薬を飲みやすいようにまとめ整理します。
薬を配って確実に飲めているか確認する。
実際には介護士さんが薬を飲ませてくれますが、確認不足から飲み忘れや誤薬(違う薬を飲ませる)も時々ありました。
様々な処置
医療行為としてあげた処置に加えて、点眼や爪切りなども看護師が行うこともあります。
- 経管栄養の管理
- 褥瘡処置
- 浣腸や摘便
- インスリン
- 痰の吸引
- 在宅酸素
- 尿道カテーテルの管理
- ストーマ管理
- 点滴
- 看取り
特養看護師の精神的な負担
特養には医師がいないため、看護師が様々な判断を求められます。
自分の知識と経験から答えを導き出しますが、医師ではないので正直難しいですよね…。
しかし、特養の介護士さんを含め多職種の職員は看護師さんに聞けば何でも答えてくれると思っている傾向があります(筆者がいた特養は特にそうでした)
言わば、看護師という名の何でも屋…でしたね~。
また、夜間のオンコールで急変があった場合などは救急車の手配や家族への連絡など全部看護師が行っていました。
もちろん夜間なので1人で全部行います。
そして夜中に出勤しても、翌日も休むことはできず疲れた体で仕事していました。
なかなかハードモードですよね。
あくまでも筆者が働いていた特養の場合です。
まとめ
今回は「特養看護師がきつい・しんどいと言われる理由は?仕事内容や精神的な負担を解説!」と題して
- 特養看護師がきつい・しんどいと言われる理由
- 特養看護師の仕事内容
- 特養看護師の精神的な負担とは
についてご紹介させていただきました。
施設の看護師はラクそうと思われがちですが、医師がいないため様々な判断を求められるため精神的な負担が大きいです。
特養で7年働いてきた筆者も正直しんどかったです。
しかし、人生の大先輩の入居者様のお世話をさせていただくことはやりがいもあり楽しいこともたくさんありました。
この記事が誰かのお役に立てるとうれしいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。